Tomorrow
あらゆる人が参加できる
新しいスポーツのカタチ

ESPORTS CONNECTED TO THE WORLD

大学を挙げてのプロジェクトで
日本のeスポーツ界を盛り上げる。

YouTubeのゲーム実況やTV番組などで、日常的に目にすることが増えているeスポーツ。かつてゲームには“遊び”のイメージが先行していたが、今ではプロチームが活躍し、各地で大会が開催されるなど、世界中で大きな盛り上がりを見せている。一方、日本でもオンラインゲームの認知度は高まってきたもののeスポーツが競技として認知されているとは言いがたい。そこで大阪電気通信大学は、日本のeスポーツ界がより発展するための地盤づくりをめざす<esports project>を全学的な取り組みとして立ち上げたという。今回は、このプロジェクトに参加する学生に話を聞いてみた。

「おととしの夏にeスポーツの大会にスタッフとして参加し、新たなムーブメントの訪れを肌で感じました。会場で観戦するオーディエンスの熱気にも驚きましたが、何より視聴者から送られてくる凄まじい量のコメントに圧倒されました。離れた場所からでも同じ空間を大勢で楽しめるのは、eスポーツならではの魅力です」
<esports project>では、キャンパス内に整備された配信設備のあるスタジオを拠点に、学生が主体となって運営や企画を行っている。プレイヤーだけでなくeスポーツの大会を企画運営する側の人材を育成している点が、eスポーツ全体の発展をめざすこのプロジェクトの特徴といえそうだ。

eスポーツの奥深い魅力を
多くの人に知ってもらいたい。

ひと口にオンラインゲームと言っても、複数のプレイヤーが協力して競い合うものから1対1で戦う格闘ゲームなど、さまざまなジャンルが存在する。その中から競技性や大会の興行性など、一定の条件をクリアしたゲームがeスポーツの競技種目として認定され大会が開催されているという。
「プロジェクトでは、主催するイベントや大会に相応しいタイトルを私たち学生が主体となって選んでいます。スタジオの機材を使って中継や配信も行うので、スムーズな進行ができるよう入念に打ち合わせをしています」

エンターテイメント性があり、世界中とオンラインで繋がることができるeスポーツ。話題に取り上げられる機会も増えてきた今、華々しい舞台を支える人々の存在が今後の発展のカギを握っているのかもしれない。
「サッカーや野球などのメジャースポーツは、プロのアスリートとして活躍する人、その試合を観戦するファン、チームや施設を運営するスタッフなど、多様な人が関わって1つの文化を形づくっています。これからのeスポーツは、経済的な成功をめざすだけでなく、世の中の人々にゲームがもつ魅力と楽しさを知ってもらい、スポーツと同じように文化として確立できるようプロジェクトを通して発信していきたいです」

酒井啓吾さん/原隆弘さん/鳥越一吹さん
Profile
ゲーム&メディア学科2年
酒井 啓吾さん(左)
ゲーム&メディア学科3年
原隆 弘さん(中央)
ゲーム&メディア学科2年
鳥越 一吹さん(右)

大阪電気通信大学 esports project

COLUMN
esports projectゲームという
ジャンルにとどまらない
eスポーツの可能性

eスポーツを通して地域とつながり、
学生の社会性を育む。

「情報を瞬時に判断しながらプレイするeスポーツは、情報処理能力やマルチタスク能力、状況判断力などを培う競技です。限られた時間の中で成果を実感し、次への反省点を見つける。こうした一連のサイクルを学ぶことで、今の社会に求められる力を身につけることができると考えています」
本格的な機材が揃う学内の専用スタジオで話を聞かせてくださったのは、<esports project>の担当教員を務める森先生。例年100名前後の学生が参加するこのプロジェクトでは、大学生を対象としたイベントや大会を行うかたわらキャンパスを構える寝屋川市主催の文化祭に参加するなど、地域との交流も深めているという。
「小中学生を対象に、eスポーツを体験してもらうイベントを開催しています。eスポーツというジャンルを知らない子どもたちに、どういった言葉で、どのように説明すれば楽しんでもらえるか。学生たちは競技や運営の技術だけではなく、コミュニケーション能力や社会性も実践を通して身につけています」

コロナ禍の影響により、イベントの中止や延期が起こった2020年。プロジェクトはどのように対応してきたのだろう。
「通常の活動については自宅からでも参加できるように、オンライン環境を整備しました。学生同士の打ち合わせや練習、教員との連携はオンライン上ですべて行えるようになったのは大きな収穫。ITやオンラインの活用実績が多くない地方自治体に向けて、こうしたノウハウを提供する働きかけができればと考えています」

日本がeスポーツ大国となるためには
大人の認識を変えることも必要。

withコロナの状況において、非接触で場所を選ばず楽しめるeスポーツは、安全に参加できるアクティビティとしても注目を集めている。
「生活様式の変化によって、幅広い世代の人々がオンラインでのやり取りに慣れてきました。対面での交流に制限がある今、離れた場所にいても年齢や性別を超えて楽しめるeスポーツが、新しいコミュニケーションの形として見直されているのだと思います」
世界中の誰もが参加できるeスポーツは、SDGsがめざすいくつかの目標にもつながっている。しかし、eスポーツの市場規模が大きいアメリカや韓国、中国などと比較すると、日本はまだまだeスポーツの発展途上国といえる。さらに盛り上げていくには何が必要なのだろうか。

配信イベントの様子。<esports project>は大阪電気通信大学の新型コロナウィルス感染症予防対策ガイドライン等に則り、活動を行なっている。

「子どもの頃に『ゲームで遊んでばかりじゃダメ』と言われていた世代が子どもをもち、家族でゲームを楽しむことが当たり前になりつつあります。日本のeスポーツ界を盛り上げるためには、私たち大人が遊びの枠を超えた“eスポーツの有益さ”を認め、その活性化を推し進める必要があると考えています。このプロジェクトを通してeスポーツの魅力を継続的に発信していくことが、社会全体の意識変化につながることを願っています」

上山晴香さん
Profile
esports project 担当教員
森 善龍デジタルゲーム学科特任准教授

大阪電気通信大学を卒業後、大手メーカーでゲームの企画制作に携わり、日進月歩で進化を続けるゲーム業界で活躍。その豊富な経験を生かした視点から、eスポーツを通した学生の成長を後押ししている。

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