Tomorrow
いつものくらしから
始められるSDGs。

FOR SUSTAINABLE SOCIETY

お母さんたちが笑顔でくらせる
持続可能な社会にしたい。

環境問題やジェンダーなどの社会課題を根本的に解決し、よりよい世界をつくるために設定された目標、SDGs。近年ニュースなどで耳にする機会は増えてきたが、どこか自分とは関係ない“社会問題の取り組み”と考えている人も多いのではないだろうか。
「壮大な活動に聞こえがちなSDGsですが、実は毎日のくらしの中にもできることがたくさんあるんですよ」
そう話してくれたのは、SDGsで掲げられている「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」などの課題解決のため、子どもたちへ向けたプロジェクトやイベントを企画している伊吹美里さん。かつてはIT業界や、化粧品メーカーで活躍してきた伊吹さんだが、結婚・出産といったライフステージの変化から転職を決意。なぜ異業種からSDGsの取り組みをはじめたのだろうか。

「もともと華やかな化粧品の世界に憧れていたのですが、売れ残った商品を捨てて新商品を発売するサイクルが続くたびに、やるせない気持ちになっていました」
お客さまがきれいになり、喜んでもらうことにやりがいを感じる一方、大量生産・大量廃棄でコストを下げる仕組みに違和感を抱くようになったという。さらに子育てをしながら働く中で、女性の働き方にも疑問を持つように。
「フレックス制度など、働き方の仕組みは整っていたのですが、仕事量が減るわけではない。だから仕事で認められるには、サービス残業をせざるを得なかったんです。それにキャリアを積むには出張や長時間労働が当たり前。お母さんをしながら社会で働くのはこんなに難しいのかと直面しました」

将来を描くロールモデルを見つけたくても高い役職は男性ばかり。睡眠時間を削りながら仕事と育児を両立させる毎日に悩んでいたとき、ある言葉が新たな道を開くきっかけに。
「以前の上司が海外で行っているフードロスをなくす活動やエネルギー循環の仕組みなど、SDGsの取り組みを学んでいたんです。その話を聞いたときに『そのやり方が将来も継続できること』を意味する『持続可能』という言葉を教えてもらいました。環境問題に用いられることが多いのですが、女性が無理なく働き続けられることや、キャリアを諦めず子育てができる持続可能な社会にしていきたいと考えるようになりました」

親子で
学び広がるSDGs。

今年4月にはパナソニックセンター大阪内に設立された社会問題解決への貢献・SDGsの達成を目指すコーナー「あるままBASE・あるままOYAKO」のオープニングイベント企画を担当。絵本作家の谷口智則さんを迎え「イチから創る優しい世界」「同じ世界を多様なカタチで創る」という2つのテーマをもとに、子どもたちと壁画の制作を行なった。
「興味がある人以外にも参加してもらえるよう、あえてSDGsという言葉は使いませんでした。学校に通う子どもたちや企業に勤める方はSDGsについて触れる機会がありますが、実はお母さん世代は知る機会自体が少ない。なので、気軽に参加しながら『SDGsって身近なものなんだ』と感じてもらえるよう心掛けました」
確かに日々のくらしでSDGsを意識している人はまだまだ少ない。では一体どのようにその取り組みを伝えたのだろうか。

4月に開催された「あるままBASE・あるままOYAKO」オープニングイベント~絵本作家谷口智則さんと一緒に「あるまま」を象徴する壁画を創り上げよう~では伊吹さんが企画を担当。子どもたちと制作された壁画はパナソニックセンター大阪「あるままBASE」にて鑑賞いただける。

「イベントを通して課題を解決する体験をしてもらおうと考えました。ただライブペイントをするだけでは解決につながらないので、新しい世界を創るには環境問題に目を向けることが大切だと感じてもらえるように、まず土台となるキャンバスにゴミを広げ、それを拾ってもらうことから始めました」
子どもたちの手によってゴミがなくなり、ようやく準備が整ったキャンバス。そこに谷口さんがリクエストに応えながらさまざまな生き物を描いていく。

「子どもたちの発想がとても豊かで、大人が思いつかないリクエストを次々にしてくれるんです(笑)そうして創られた世界には、多様な動物たちが楽しそうに過ごしている様子が描かれました。見た目が違っても認め合うことで共存できる。ひとつの世界をみんなで描いたことが多様性について考えるきっかけになっていれば嬉しいです」
いきなり大きな社会課題に取り組むのではなく、自分がくらす街の環境を知ることや、身近な人を尊重することがSDGsをはじめる第一歩なのかもしれない。

子どもたちの未来のために
今できること。

児童養護施設への支援や、児童虐待をなくす運動など、子どもたちの未来をよりよいものにする活動を続けている伊吹さんだが、日々のくらしの中ではどんなことを実践しているのだろうか。
「本当にときめくものしか買わないとか、困っている人に手を差し伸べるなど、日常にプラスαでできることをしようと心掛けています。とにかく常にハッピーでいることが子どもの幸せにつながる。そう思って仕事と育児に取り組んでいます」

無理を感じることはしないと決めている伊吹さん。その等身大の姿で、これからも幸せにくらせる持続可能な社会作りとSDGsの大切さを伝えていく。
「お母さんって家事をしながら実は毎日SDGsの取り組みをしているんですよ。冷蔵庫の中身を見て、捨てるのは勿体無いからとうまく料理に活用したり、無駄を出さない工夫をしたりしているじゃないですか。本当にそれだけで素晴らしいと思います。そこからさらに視野を広げて環境問題に関心を持ったり、みんなの幸せについて考えることで、もっとSDGsの輪が広がっていくのではないでしょうか」

Rockes For Chile 2020
児童養護施設の子どもたちを音楽イベントに招待する取り組みや、楽器寄贈、施設退所後の学費支援など、子どもたちの未来につながる活動を実施する伊吹さん。参加した子どもたちからは楽しんだ様子がうかがえる寄せ書きが届いた。
伊吹美里さん
Profile
伊吹美里さん
自治体や児童養護施設など、さまざまな支援団体とパートナーシップを組みSDGsの達成を目指す企業、株式会社 RFC代表取締役。

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