緑のオアシスが、
心を癒す非日常空間をつくり出す。
ミモザやユーカリなどのドライフラワーが飾られた玄関を通ってリビングに入ると、シェルフ、階段、テレビ台、そして吹き抜けに飾られた50種を超える個性豊かな植物たちが出迎えてくれる。緑に包まれる空間は、さながら小さな植物園のようだ。
「6年前に家を建てる時に、インテリアの一つとしてアルテシマというゴムの木を買ったのが始まりですね。もともと植物に興味があったわけではなかったんですが、飾ってみるとブラウン系の内装に緑が映えて、部屋の雰囲気がグッとよくなったんです。そこからすっかり植物にハマってしまいました」と優しい笑顔でお話されるのはご主人の輝さん。

そんな輝さんのモーニングルーティーンは、朝5時の植物の手入れからスタートする。その日の気温や土の乾燥具合などを見ながら水をやり、一つひとつの植物の成長や状態を丁寧にチェック。たっぷりと時間をかけた手入れが終われば、植物に囲まれたお気に入りの空間で朝食をとる。
「これだけの数になると、さすがに手間も時間もかかりますね。でも、僕にとっては植物たちと関わる時間こそが、日常を忘れさせてくれる大切な時間なんです」
ゆっくりと心行くまで植物を眺め、そして植物に囲まれた空間で気持ちをリセットする。たくさんの植物たちが、慌ただしい日常をくつろぎと癒しの非日常空間に変えてくれる。それこそが、輝さんにとっては何ものにも代えられない植物の魅力なのかもしれない。
植物は生きもの。だから大変。
だから楽しくておもしろい。
「最初はあまり知識がなかったこともあって、何度か枯らしてしまいました。その時、植物は置きものじゃなくて生きものなんだ、って。当たり前ですよね。でも、その当たり前のことを実感したことで、より一層植物に愛着を感じるようになった気がしますね」と輝さん。
それからは、インテリアとしておしゃれに飾るだけでなく、元気に育つ環境づくりにも気を配るようになったという。日中はたっぷり太陽に当ててあげ、夜には家の中に入れる。急に雨が降ってきたら、会社から奥さまに電話をして取り込んでもらうこともあるという。
「雨が苦手な植物もいるので…。留守にしている間に枯れたりしないか心配だから、旅行も2泊以上はできないです。もう、子供みたいな存在なのかも(笑)」
奥さまに申し訳なさそうにしながらも、輝さんの話ぶりから植物に対する深い愛情が伝わってくる。

今でも植物の世話は輝さんが中心だが、奥さまの愛貴さん、息子の晃太くんもサポートすることで少なからず影響を受けているようだ。
「ほら、新芽が出てきたよ! だいぶ成長したね。この子ちょっと元気がないかも…。剪定したお庭の花を使ってドライフラワーをつくるね」植物の話題を通して家族の会話が広がるという。
一本のゴムの木から始まった浜島さん一家のグリーンライフ。次はサンルームをつくってもっと増やしていきたいと計画している輝さん。植物が増えることでさらに手間もかかるだろうが、それ以上にくらしにも楽しい変化がたくさん生まれそうだ。

- Profile
- 浜島輝(あきら)さん
- 愛貴(あき)さん
- 晃太(こうた)さん